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日本基督教団九州教区のブログ

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イラク派兵違憲判決を受けて(抗議)

2008年5月28日

内閣総理大臣 福田康夫 様
防衛大臣 石破 茂 様

日本基督教団九州教区伝道センター
平和・人権部門委員長 羽柴 禎

福岡県福岡市中央区舞鶴2‐7‐7
日本基督教団九州教区事務所



行政府が司法判断に従うことを要求し、
三権分立を蹂躙する発言に抗議します。


 2008年4月17日、名古屋高等裁判所において「自衛隊の活動、特に航空自衛隊がイラクで行っている米兵等の輸送活動は、他国の武力行使と一体化したものであり、憲法9条1項及びイラク特措法2条2項、同3項に違反する」との判決が下されました。加えて判決では「平和的生存権は全ての基本的人権の基礎にあって、その享有を可能ならしめる基底的権利である」として平和的生存権の具体的権利性を認めるものとなっています。
この違憲判決は、日本国憲法の根本原理である平和主義の意味を正確に捉え、それを政府の行為に適用したものです。日本は三権分立を統治原理とし、かつ法の支配を統治原理としている立憲民主主義国家です。三権の一つである裁判所が下した判断は最大限尊重されなければなりません。日本政府がこの判決に従い、イラクからの自衛隊の撤兵を直ちに実行されることを要求します。
 なお、本件名古屋高裁判決に対して、福田首相をはじめ閣僚、自衛隊幹部から、三権分立をないがしろにする発言が相次いでいます。政府自らが司法の判断を無視しても良いというのであれば、もはやこの日本という国は独裁政権国家に成り下がったと言わざるを得ません。三権分立を踏みにじるようなことを公言して憚らない福田総理大臣以下閣僚と自衛隊幹部の姿勢に断固として抗議します。
 1990年の湾岸戦争への自衛隊掃海艇派遣以降、自衛隊の海外活動は、これを違憲であるとする私たちの訴えを無視し続けて、年を経るごとに拡大されてきました。そしてその延長線上にあるとも言えるのが現在のイラクへの自衛隊派兵です。イラクへの自衛隊派兵は、アメリカ合衆国、ブッシュ政権が引き起こした侵略戦争に荷担するものであり、このような自衛隊のイラク派兵が、日本国憲法9条に違反し、日本国憲法が全世界の人々に保証している平和的生存権を侵害していることを今回の判決は明らかにしています。
 政府の愚かな行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないよう、全世界の人民がひとしく戦争の恐怖と欠乏から免れ、武器を必要としない真の平和のうちに生存するこができるよう、心より望み、祈るものです。
以 上

by qkyoku | 2008-05-28 12:42 | 声明・抗議
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